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IEEE1888(FIAP) 誕生の背景

エネルギー資源問題や、地球温暖化問題などを背景に、大型施設のみならず、中小施設や家庭においても、省エネが推進されつつある。この時代の大きな変化の中で、次世代のエネルギー管理全般(例えば、エネルギー消費量の見える化、無駄や改善の診断、快適自動制御、電力需給バランス制御)は、インターネットを中心としたICT技術が担おうとしている。この動きは一般にグリーンICTと称され、近年、特に注目を浴びているのだが、実際には次に挙げる問題が発生しており、これがグリーンICTそのものの普及を妨げる障害となっている。

問題1:
BEMSやHEMS等の設備あるいはエネルギーを管理する製品は、独自のデータベースを持った形で、各社で開発されており、他社製品との連携は困難である。他社製品と連携させたり、新たな機能を追加させたりするには、別途開発が必要となり、その費用は製品の利用者側の負担となる。
問題2:
地域やキャンパス単位など、従来よりも広い単位でエネルギー管理が行われようとしているが、各施設には様々なフィールドバス規格が導入されていることに加え、インターネット・オンライン化する上での便利で統一的な手法が無い。そのため、プロプライエタリな開発が行われ、データ流通の利便性を欠くシステム形態となってしまっている。

結果として、エネルギー管理のためのシステム構築や運用には、高度な専門的知識とエンジニアリングが必要であり、これは利用者側への大きな負担となっている。エネルギー管理にとって有望なグリーンICT技術を普及させるためには、アーキテクチャの見直しを含めた実地的な研究を通して、このような問題点をできるだけ解消し、利用及び開発しやすいシステム形態に移行させていかなければならない。

通信プロトコルであるIEEE1888は、このような背景から、従来の設備管理の枠を超え、エネルギー管理を中心に添えた運用に視点を広げ、グリーンICT技術の社会インフラ化を目指して設計・開発された。5年以上にわたった実地運用と共に研究された、データ蓄積、BEMS/HEMSのマルチベンダー化、そして広域管理を可能にするアーキテクチャが採用され、これまで設備管理システムの導入が困難であった中小規模施設や家庭などにまで、技術インフラとして浸透できるように設計されている。IEEE1888により、小規模施設の電力消費量、空調、照明、環境、プリンタ、パソコン、セキュリティ・システムなどの設備情報が、インターネット・オンライン化され、広域にわたる情報の集中監視、見える化、遠隔制御が実現可能になる(詳細は「IEEE1888(FIAP)システムの概要」を参照)。IEEE1888の社会インフラは、大型のハイエンド設備のネットワーク化から、簡易な小型メータ、簡易な小型の設備管理サーバ、初期投資を小さく始められるクラウドサービスの実現までも可能にし、これまでコストの兼ね合いで設備管理やエネルギー管理を行えていなかった幅広い対象にまで、グリーンICTによる省エネを達成できるようにするものである。

IEEE1888の社会インフラは、従来のような「顧客のニーズに応じて行われるソフトウェア開発によるカスタマイズ」を否定するものではないが、多くの場合は既存ソフトウェア/ハードウェア製品を組み合わせて、現場の要望に応じて設定を行うことによる、システムの構築が可能になっている。この、システムの柔軟性は、ソフトウェアやデータの再利用性を促し、より可動性の高いエネルギー管理システムを築き上げることにつながる。